あらすじ
僕、橋場恭也はしがないゲームディレクター。
ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!【KADOKAWA MF文庫J】
会社は倒産、企画もとん挫して実家に帰ることになる。
輝かしいクリエイターの活躍を横目にふて寝しめ目覚めると、なぜか十年前の大学入学時に巻き戻つていた!?
落ちたはずの大学に受かっていて憧れの芸大ライフ、さらにはシェアハウスで男女四人の共同生活と突如、バラ色の毎日に!
ここから僕の人生を作り直すんだーーー
後の有名クリエイター(の卵)と共に送る新生活がいま始まる!と、意気揚々と始めてみたもののそんなにうまくいかないみたいで…。
好きな場面
生きてきて、あまり絶句するという瞬間というのは訪れない。
ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!【KADOKAWA MF文庫J】
文字通り、言葉を無くすようなことなんて、そうそうないからだ。
そこには大体、びっくりしたとかいう言葉とか、うわあっという叫び声とか、
すごいだのかっこいいだのといった感嘆などがおおかたあてはまるからだ。
だから、僕はその時、自分が絶句していることを、あとで客観的に『表した』のだ。

同じシェアハウスに住んでいるシノアキが、自分が憧れていたイラストレーター「秋島シノ」だと気づく場面。
恭也は生活面がさっぱりダメ、授業で好きな映画監督を「王監督」と答える天然なシノアキを、守らなきゃいけないタイプと思っていました。
そんな自分の保護下にいるシノアキがまさか未来の売れっ子イラストレーターって分かったら絶句しちゃいますよね。
この場面は文章だけでなくイラストからもシノアキがどれだけ絵に没頭しているか分かります。
積み重なった紙だけでなくシノアキの表情に引き込まれちゃいますね!!
引用:ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!【KADOKAWA MF文庫J】
製作の仕事でいちばん大切なのは、『最後まであきらめない』ことだ。
製作があきらめたら、その時点で現場は終了だ。
でも、製作が『まだやれる』と言い続けるかぎり、現場は終わらない。
尻ぬぐいってのは、そういう面も含めてなんだ。作ることについて最後まで執念を持ち続けるって意味では、製作は誰よりもクリエイティブでしぶといと言えるだろうな。
ぼくたちのリメイク 十年前に戻ってクリエイターになろう!【KADOKAWA MF文庫J】
製作だって立派なクリエイターだ。
恭也達シェアハウス4人はチーム「きたやま」を結成して映像を作る課題に挑みます。
監督、技術、出演、製作と役割がありますが、得意なものがない恭也は「尻ぬぐい」とされる製作になります。
映像制作のなかで監督の貫之と衝突してしまい、加納先生からアドバイスをもらいます。
製作という裏方は苦労があるのに名前が出ず光を浴びることがない。
何も生み出すことができない自分には製作しかできないと思って仕事をしていたが
製作もクリエイターという言葉で恭也は10年後の自分まで救われたような気持になります。
悩んでいる時の第3者からの肯定の言葉って本当に力になりますね。
僕も自分の仕事がこんな風に肯定されたら、恭也と同じように救われた気持ちになると思います!
まとめ
恥ずかしいんですが、僕は「今の記憶をもって、あのころに戻れたらこうするのになー」っていう妄想を結構します。
この作品は「何度もしてた妄想がラノベになってる!しかもこんなに面白い!」っていうのが素直な感想です。
ただ、過去に戻って人生を上手くいきるってだけではなく、この作品って恭也が自分は何も持っていないっていう劣等感とどう向きあうかってのがテーマだと思います。
挫折したって10年っていう時間は本当に重い・・・
そんな恭也が課題後にシノアキ・貫之・ナナコから「負けたくない!!」宣言されて、自分自身を肯定的に見れる流れがすごい良かったです。
自分が認めてる仲間にライバル視されるって嬉しいですよね!
今なにかを頑張っている人には共感できるところが多い作品です。
2巻も楽しみです♪♪
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